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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第22章 立待月に焦がれて(政宗)


『おい、佐助、愛まだいるのか!』

幸村が凄い勢いで庵の戸を開けた。


『どうした幸、そんなに急いで』


佐助は表情を一切崩さずに幸村を見る。


『やっぱりまだいたか…。まずいぞ、安土のやつら必死になって愛のこと探してる』

「え?やつらって…政宗だけじゃなくて?」

愛が驚いて声をあげる。

『あぁ、豊臣も石田も徳川家康まで動いてる』

あまりにも大騒動になっているらしい事を告げられ
愛は慌てて佐助を見る。


「佐助くん…どうしよう…」

『どうしようじゃねぇよ、だから面倒な事はごめんなんだ…
ここ見つけられたらまずいぞ、佐助』


「まぁまぁ、ちょっと落ち着いて二人とも」
そう言うと、佐助は愛に向き直る。


『どうする?もし君が帰りたくないというなら、
俺が責任をもって春日山まで連れて帰る』

『お、おい佐助、何言って…』
佐助の言葉に幸村は再び慌て出す。


『どうする?どちらにしろ、ここで君とゆっくりはしていられない』

愛はしっかりとした声で佐助と幸村に告げる。

「ありがとう。ごめんね、迷惑かけちゃって…。
でも、私、戻るよ。ちゃんと伝えなきゃいけない言葉と気持ちがあるから」


その様子に佐助はもう一度表情を緩める。

『そう言うと思ってた。
わかった、じゃあ君を誰にも見つからずに御殿に帰すよ。
幸、準備して』


『はぁ?俺も行くのかよ!?』

不服そうな声を出す幸村に、

『ここがバレないようにしないといけないだろ。
ほら、いくよ』

佐助にそう言われ渋々腰を上げる。


「ありがとう。お礼今度するからね、幸村にも」

『当たり前だ!一生感謝しろよ』

そう言いながらも、愛の手を取り優しく立ち上がらせた。
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