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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第3章 彼と私の秘密の言葉(三成)


『別に。愛があんたの事ずっと呼んでるからしょうがないでしょ。』

愛の具合悪さを見て、家康は三成にだけ言伝をしていた。

「秀吉様たちは…」

三成の質問に、不機嫌そうに答える。

『来て欲しいわけ?だいたい、あんたの事呼んでるっていってるでしょ。』

「家康様…こんな時まで本当にお優しいです…。
愛様が笑顔になる理由がわかります…」

そう三成がいつものように笑う。

『あー、もう、苛々するんだけど。
笑ってる場合じゃないでしょ。だいたい、俺がなんで笑顔にさせなきゃいけないの。
一番辛いときに三成を求めてるんだから、あんたがいつも笑顔にさせときなよ。』

「私に出来るんでしょうか…。
愛様は、本当に私で宜しいのでしょうか…。」

『なにそれ?自信ないの?じゃぁ、貰ってくけど、いい?』

そう家康が言った時、

「み…つなり…くん…。」

うわ言のように愛が三成の名前を呼ぶ。

「だめ…だよ、みつなりくん…ちゃん…と、ごはん…」

三成はびっくりして愛を見つめる。

『ほら、こんなに苦しそうな時にまで、あんたを心配する夢見てるよ。まったく…』

三成は、愛の手を握って、名前を呼ぶ。

「愛様、愛様、聞こえますか?
ずっとここに居ますから、大丈夫ですよ?」

「みつなり…くん?よかった、ずっと居て…そばに」

そう言うと握った手が少しだけ力を込めて握り返された。

「愛様…」

『あんた、これ出来る?』

そう言うと、桶を指差す。

『壊滅的に不器用だから、不安しかないけど…』

「やってみます!」

辿々しい手つきで、手拭いを水につけ額に置こうとする。

『ちょっと、ちゃんと絞って!それじゃ愛がずぶ濡れになる。
悪化させたいの?』

家康の厳しい指導が入る。

「す、すみません…、気をつけます」

そう言って、今度はしっかり桶の中できつく水を絞る。

『とりあえずは、できる事その位しかないから。
薬飲ませたいけど、意識がハッキリしなくて飲ませるのが難しい。
落ち着いて、起きるようなら飲ませて。早く飲んだほうがより良いから。』

『俺は一応、秀吉さんには報告してくる。
あとは三成に任せたよ…』

そう言うと、立ち上がる。

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