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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第22章 立待月に焦がれて(政宗)


「わぁ!今日もまたご馳走だね!
全部美味しそう!」


料理の準備を終えて戻ってきた政宗の手には、
日吉の歓迎のための料理の皿があった。


『相変わらずいい顔するなお前は。
後は女中に運ばせてるから、沢山食べろよ』


政宗は愛の笑顔に満足しながら、その頭を撫でようと手を伸ばし、
そして手を止めた。


「ん?」


撫でられる準備をしていた愛は驚いて政宗を見上げる。


『だめだ。お前また日吉の前なのに可愛く笑うだろ…』


愛と日吉は目を合わせ、そして小さく吹き出す。


『なんだよ、お前ら、随分仲良くなったじゃねぇか』


面白くなさそうに政宗が言う。



「そうだね。沢山日吉くんとお話しできたからね」


そう言うと日吉も


『はい!愛様から政宗様がいかに素敵かと沢山聞かせて頂きました!』


「ちょ、ちょっと日吉くん!」


『そうかそうか、なら仕方ねぇな』


(どんなに可愛く笑っても、俺のものだからな)


「と、ところで、3人分にしては多くない?」


女中がどんどん運んでくる料理の量は、食べきれないほどだ。


『あぁ、秀吉と三成を呼んでるからな』


「え?そうなの?珍しいね」


軽く目を見開く愛に、


『日吉は少し三成に似ているところがある。
あんなに惚けたところがあっても、秀吉にとっての三成はこの上ない右腕だからな』


なるほど…


日吉とお茶をしながら、既視感があった。
若いのに博識なところ、戦術の話になると目がキラキラし出すところ。



「そっか、誰かに似てると思ったら三成くんか!
そうだね、三成くんと仲良くなったら、色々勉強になるもんね」



『私としては、政宗様だけでも恐縮なのに、
秀吉様と石田様がご一緒ともなれば、緊張で吐きそうです…』


日吉も聞かされてなかったようで、急に顔がこわばって行く。


「大丈夫。二人ともとっても優しいし、とっても良い人たちだから」


愛がそう笑いかければ、日吉はホッと息を吐く。


『愛様がそう言われるなら安心してきました』


日吉も少し緊張をほぐしたようだった。


そんな二人の掛け合いが少しだけ気に食わなかった政宗だったのだが…
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