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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第21章 月と金星 (秀吉)


『さてと、もうすぐ着く頃だぞ』


政宗と愛は、程なく秀吉たちの陣営に辿り着く辺りまで来ていた。
愛の姿はもうすっかり普段と変わらない。


「秀吉さんたち、怪我とかしてないかな…」


『なんか、お前の身体はゲンキンだな。
もうすっかり普通じゃねぇか』


そう言うと政宗は楽しそうに笑う。


『別に戦してるわけじゃねぇ。大丈夫だろ』


前方に、秀吉の旗が見えると、政宗は馬を止めた。


「どうしたの?」


不思議そうに愛が政宗を振り返る。


『ちょっと、秀吉を懲らしめてやるか。
このまま愛に逢わせるのは、なんかシャクだ』


「え?何するの?嫌な予感しかしないよ?」

『大丈夫だ。お前はちょっとだけ木陰で隠れてろ』


そう言うと、離れた所にいた陣営の見張りの一人を手招きする。


『政宗様!どうなさいましたか?
愛様も?!』


『おい、大きな声出すな。ちょっと俺は秀吉に会ってくるから、
それまでその木陰に愛を置いておく。
危険のないように見張ってろ』


「ちょっと、政宗…」


『かしこまりました!愛様は秀吉様の大切な姫様ですから!
命に代えてもお守りします!!』


『おう。頼もしいな。じゃあ、ちょっと行ってくる。
合図したら出てこい』


そう言うと、愛が持ってきた着物の包みと手紙を持ち、
政宗は秀吉の元へと向かった。



政宗が陣営に入ると、辺りは騒然となった。

「上杉謙信の次は、政宗様?一体何がどうなっているんだ?」

「直ぐに秀吉様へお知らせしろ!!」




愛が護衛と木陰に隠れていると、目の前を佐助と謙信が通り過ぎた。


「佐助くん?!」


驚いて声をあげると、二人が此方を向く。


『愛さん?』
『ほう。結局全てがあいつの一人相撲だな』

そう言って愛に近づく。

護衛がすかさず前に出るが、

「あ、大丈夫。謙信様と佐助君は仲良くしてもらってますから…」

そう言うと自ら進んで前へ出た。
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