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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第3章 彼と私の秘密の言葉(三成)


「三成くん…失礼します」

恐る恐る声をかける。
すると。思いもよらぬ声が中からかかった。

『おぅ、愛か。入れよ。」

(政宗?!なんで?)
中に入ると、政宗と三成が朝餉を食べていた。

「何やってるの?」
不思議そうに政宗に訊くと、

『三成は飯を食うのをすぐ忘れるから、たまに作りに来る。
光秀も一緒の事が多いが、今日はあいつはいないからな。』

愛の疑問にそう答える。

『こいつ、俺が視察で出かけてる間、二日飯食ってなかったんだよ。
女中が泣きついてきたから、今日は遅めだが無理やり食わしてる。』

(そっか、私来なかった時、ご飯食べなかったんだ…)

政宗と愛が話している間、三成は黙々と口を動かしている。

「三成くん、今日なにか私にお手伝いできることある?
秀吉さんが、三成くんを手伝ってくれって…。
もし無ければ私もうお城に戻るけど…」

それを聞くと、何かを言おうとした三成は突然むせ出した。

『でひれば、となりのへっ…やを…ゴホゴホっ…むぐっ」

「おい、慌てるな、茶を飲め三成!」

政宗が急いでお茶を渡す。

『ゴホッ…あっ…ち…わぁっ…』

今度は、お茶を見事に溢す三成。
そのコントのような様子を見ていた愛は、
つい笑ってしまう。

「あはは…三成くん、もう少し落ち着いて?
私はそんな急に消えないから…ふふふ」

『三成の見たかったもの、見れたな。
良かったじゃないか。』

政宗がそう言うと、畳を拭きながら三成は、
「えぇ。」と微笑む。

(見たいもの?)
ただ1人愛だけが意味がわからずにいた。

落ち着いた三成は改めて愛に話かける。

「愛様、もし宜しければ書庫をかなり荒らしてしまいましたので、
そちらの整理をお願いしてもよろしいでしょうか。
私も自分の仕事が終わり次第お手伝いに上がりますので。」

そう言うと、愛の大好きな天使の様な笑顔を向ける。
この五日間なんてなかった事のように。

複雑な気持ちを抱えたまま、
『うん。わかったよ、じゃぁもう始めてるね。」

そう言うと、早々に部屋を出る。

「はぁ…」
(嬉しいけど…なんか複雑…)

愛は一つため息をついて、書庫に向かった。
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