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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第20章 貴方への愛を紡ぐ日(家康)


『ほら、光秀にもあるぞ。それに勿論信長様にも。
家康、早く渡せ』


秀吉の言葉に更に愛は驚く。


そんな愛の顔を見れず、家康は光秀に巾着を手渡す。


『ほぉ。なんだかよくわからないが、愛からの贈り物ならもらっておく』


わからないとは言いつつ、全てをわかっているような光秀の顔に、
家康は気まづさを覚える。


『これは、俺の着物と同じ生地か』


クマたんを揺らしながら眺めている光秀に、三成の声が響く。


『巾着の中には愛様からの文もありますよ!』


「み、三成くん!ちょっと…」


動揺した愛の声を無視して、光秀は巾着を開ける。



『これか…この分だと三成たちは皆んなの文の内容を知っているようだな』


意地悪な笑みを浮かべて文を読み上げる。




ーー光秀さんへ
家康が大変な時に、危ない橋を渡って助けて頂いてありがとうございました。
今の家康が私の隣にいてくれるのは、光秀さんのお陰だと思ってます。
でも、あんまり危ない事はしないで下さいね。家康も心配してますから。
愛ーー



「その節は…感謝してます…」



家康の小さな声が溢れる。



『そうだぞ、あんまり俺たちに心配かけるような事はするなよ』



それをかき消すように秀吉の声が響いた。



「早く俺にも寄越せ」


黙って聞いていた信長が家康を急かせる。


「ち、ちょっと、信長様は読み上げないで下さい!」


慌てる愛を、みんながニコニコ…とニヤニヤしながら見守る。



「これは…この前仕立てた端切れか。よく思いついたな」


クマたんを手にした後、手早く巾着に手をかける。


「もう…やだ…」


愛は両手で顔を隠し俯いている。



ーー信長様へ
私が家康の御殿に住む事を許して下さって有り難うございました。
信長様のお陰で、毎日愛する人と一緒に過ごせる幸せを得ることができました。
家康の事、全てをわかっていらっしゃる信長様に時々嫉妬する事すらありますが、
これからも私たちの事、何より家康の事を宜しくお願いします。
愛ーー
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