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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第20章 貴方への愛を紡ぐ日(家康)


次の日、家康と秀吉が安土城に着いた頃には、
信長も愛の姿も無かった。



『信長様が鷹狩りに行っただと?俺は聞いていないぞ!』



秀吉は報告に来た家臣に声を荒げている。



「また一人で行ったんですか…」



家康がため息混じりに言う。




『いえ、光秀様と…それから愛様もご一緒です』



その言葉に家康と秀吉は目を見合わせる。




「もうバレてんの…最悪…」



『まぁ…一人でないにしても、光秀…余計心配だな…』



二人は肩を落として広間へと向かう。
家康の手には大切そうに抱えられた包みがあった。





「よう、家康!お前愛に振られたんだって?
さすがの愛でも家康を持て余したか」


顔を見るなり、政宗が面白そうに声をかけてくる。


『家康様、愛様はお優しいですから、
ちゃんと謝ったら許して下さいますよ』



三成はいつものキラキラとした笑顔で、更に家康の機嫌を悪くする。



『お前達…相変わらず耳が早いな…』



秀吉が呆れたように二人を見る。



「秀吉さん、やっぱりこの二人に渡すの嫌です」


家康は手元の包みを持つ手に力を込める。


『おい…それじゃ意味がないだろうが』


そう言うと秀吉は優しく家康の肩をポンポンと叩く。



『家康様から、何かいただけるのですか?!』


三成がこの上ない笑顔で近づいてくると、


「なんだよ、もったいつけずに寄越せ」


政宗も更に距離を縮める。




「俺からじゃない。愛から。
今日は…ばれんたいんだって…」



すこぶる機嫌の悪い声で言いながら、家康が包みを開ける。



『ばれんたいん…?あぁ、昨年は南蛮のちょこれーとというものを
愛様が料理してくださったアレですね?』



「あぁ、あれは珍しい味だったな。今年はまさか手に入らないだろう」



三成と政宗の目の輝きを見ながら、秀吉が苦笑いを漏らす。



『ばれんたいんは、ちょこれーとを渡すだけじゃないらしいからな。
ほら、家康、渡してやれ』



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