第19章 あの星空の彼方に(謙信)
「愛…月明かりのお前は、とても綺麗だ…」
一糸まとわぬ愛の姿を、月明かりの中謙信は満足そうに眺める。
「いや…謙信様…そんなに見ないでください…」
行燈の灯りがなくても、愛の目には謙信の色違いの目がはっきりと映る。
自分がどのくらい照らされているかはすぐにわかった。
「そんなに明るいのが恥ずかしいか…ならばこうしてやろう」
謙信は自分の腰紐を抜くと、ゆるゆると愛の目に巻きつけた。
「ほら、これでお前の灯りはなくなっただろう」
そう言うと、再び首筋に吸い付き、その唇で鎖骨、胸元へと降りて行く。
「あっ…やっ…いやぁ…」
敏感なところを深く口付ければ、さっきよりも激しく背を仰け反らせる。
「どうした、お前が恥ずかしいと言うから隠してやったのだぞ」
謙信はそう言いながら、指先でつつっと愛の身体中を撫で回した。
「ああっ!んっ…やぁ…はぁっ」
何も見えず、何処に次の刺激がくるのかわからない愛の身体は
その全ての感覚を敏感にさせていた。
「謙信様…意地悪しないで…もう…」
その声を聞き謙信は愛の肢体を優しく開く。
「もうこんなに俺を欲していたのか、愛。
月明かりに照らされて、こんなにも煌めいて俺を誘っているな…」
ちゅっ…ちゅぱっ…じゅっ…
「ああっ!あっ…ひゃっぁ…」
愛は突然の激しい刺激に腰を浮かせ、褥に爪を立てる。
「けんし…さまっ…や…めっ…はぁんっ…もう…いっ…」
一段と高い嬌声をあげたかと思うと、愛の身体から一気に力が抜ける。
「はっ…はぁ…はぁ…」
「お前はどんな姿でも可愛いな…愛」
謙信は満足そうに愛の身体を抱きしめる。
「謙信…さま…顔が…見たい…」
その言葉に謙信が目隠しを取れば、
月明かりに照らされた愛の目は潤み、
上気した頬は人とは思えぬ程の妖艶さを醸していた。
「おい…あまり煽ってくれるな…優しくできなくなる」
「謙信様のせいです…でも…好きなようにして…」
「愛っ…」
月明かりと星空に見守られながら、ぴたりと離れないように
その熱い肌を重ね合い続けた。