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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第1章 ワームホールはすぐ側に(家康)


(やばい…寝坊した皺寄せが半端ない!!)

出来上がった着物の納品のために
愛は城下を走り回っていた。

「はぁ…はぁ…。
もう政宗取りに来ちゃってるかな…
急がなきゃ!!」

安土城の門が見え始めると、
愛は足を緩めた。

(も、もうダメかも…走れない…)

諦めて、息を整えながら歩き出す。



畳の上で寝てしまった愛は、
朝餉の時間をとうに過ぎてから目覚めた。

「ヤバい!昼前までに届けないといけないのに!」

ガバッと起き上がると、着替えと身支度をすまし、
誰に声をかける余裕もなく出かけてきた。

このままでは、午後に戻る間もないと思い、
全ての届け物を持ち出したので、
今日は城に一度も戻っていない。

(女中さんに声かけてこなかったから心配してるかも…)

そうは思ったが、この納品が遅れれば、
連日徹夜した意味も無くなってしまう。

それに、夕刻前には、政宗が着物を取りに来る約束も。
大分陽が傾いてしまった。

(きっと待たしちゃってるよね。ごめん!)


やっとの事で、自室に戻ると、
一通の文が目に入る。

「家康!!」

思いもしない相手からの手紙に心躍る。

夕餉は家康の御殿でと書いてある。

「帰ってきてるの?!」

あと3日くらいかかると聞かされていた愛は
全て仕事を終えて良かったと心から思った。

(ゆっくり家康と過ごせる…!!
もう暫く反物は見たくないな…)

そう苦笑いした。

女中を呼び、黙って出かけたことを詫びると、
女中は、家康と政宗がここを訪れた事を告げる。

「そっかぁ、やっぱりもう来ちゃったよね…」

すると女中が
『夜に、家康様の御殿に取りに行くと伝えてくれと
頼まれておりますよ。』

と、微笑みながら伝えてくれた。

「そうなんだ!よかった。
じゃぁ、私は…家康のとこに行く前に、
一回湯浴みしようかな。
昨日うっかり寝てしまったので…」

『かしこまりました。
すぐご用意致しますね。』

そういうと、女中は去っていった。

(嬉しいなぁ。頑張った甲斐があったな。
ご褒美ご褒美♪)

今からやっと逢える、大好きな人の姿を思うと、
顔を綻ばせられずにはいられない。


その時、頭上から…
カタカタ…と…

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