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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第15章 勝手な我儘(政宗)


針子部屋を後にした政宗は、昨晩の愛を思い出していた。



自分の御殿について、溜まった書簡の整理をしようと文机に座ると
山のような文が、綺麗に分類されていた。


(分けておいてくれたのか。助かるな)


そういえば…と、数日前にほつれを発見した着物を直してもらおうと手にかける。



(あれ?確かにほつれてたはずだが…)



何処をどうみてもほつれは綺麗に直っている。
綺麗に直された部分をそっと撫でてて、口づけをした。


(よし。帰って来たら存分に甘やかしてやるか)




珍しく、政宗よりも遅く帰って来た愛は、
隠しきれないほど疲れた様子で戻って来た。



『おい、大丈夫か?』



心配して顔を覗き込めば、疲れた中に笑顔をのぞかせ、



「うん。どうにか大きな仕事終えられたから…
針子のみんなで、凄く頑張ったんだよ。
さすがにちょっと疲れちゃったけど…」



政宗は、愛の頭をくしゃくしゃと撫でると、


『そうか。お疲れ。
もう、そのまま湯浴みしてこい。
座ったら動けなくなるだろう』



そう言って、湯殿へと促した。




(よくわかってらっしゃる…うふふ)




湯浴みから帰って来た愛は、少しだけ元気を取り戻したようで、
お茶の用意をしていた。


『おい、あんまり無理しなくていいぞ』


「いいのいいの。私が飲みたいから、ついでに政宗の分もね」


そういって、湯呑を文机に置く。


(あ、もうすぐ終わりそうだな。
分けておいて正解だった)


その様子に満足しながら、お茶をすすり、
ほっと一息つく。


女中から、夕餉の用意が整ったと声がかかると、
二人は用意された部屋へと足を運んだ。



『どうした?食わないのか?』



あまり箸の進まない愛を訝しんで政宗が訊く。


「なんか、ホッとしたら胸いっぱいで。
ここ数日、お腹すくのも忘れてやってたから…」



(明日なんか美味いもんでも作ってやるか)



『そうか。明日からはゆっくりなんだろ?
今日は早く寝ろ。俺はもう少し仕事するから』



政宗の言葉に、愛は素直に首を縦に振った。
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