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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第14章 あなたへの恋文(家康)


『お前こそ何してんだよ』

罰の悪そうに目を逸らしながら家康が訊く。

「先程、秀吉様より、
念のため明日の視察の際、謀反を企てられた際の策戦を
書式に起こし、家康様にもお渡ししろとの命がありましたので
お届けにあがりました。
城内で家康様をお見かけできなかったのでこちらに…」

『それで、なんで愛と話してるわけ』

「愛様も、家康様に文を渡しに行くので、この書状を預かって下さると…」


しまった。
完全に自分の勘違いだったのだ。


『わかった。急に大声出して悪かった。
それで、愛の文は…』

「愛様に此方をお渡しするはずでしたので、
愛様はご自分でお持ちになられてますよ」

そう言うと、三成はいつもと変わらぬ笑顔で、家康に仕事の書状を手渡した。


すぐに謝りに行かないと…
今日受け取れなかったら、暫く愛の字が見られないから。


いつも、素直な気持ちで届けてくれる愛の恋文。
でも、返事は素直にはどうしてもなれなくて、
今まで書いてやれなかった。
今日は、絶対に受け取って、しっかり伝えて、それで甘やかして…



そう思った家康の元へ、秀吉の家臣が伝達に現れる。

「家康様、三成様、秀吉様が明日からの件で
信長様と共に確認しておきたいことがあるとの事です。
至急、場内の広間までお越しくださいませ」

『…っ。わかった。すぐ行く』

「家康様、先に愛様の所にいかれては…」

三成が心配そうに申し出るも、

『お前に心配される必要無いから』

本当は愛の傷ついた顔が離れない。
今すぐ誤解を解きに行かなければ…
そう思いながらも、足早に城へと向かった。
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