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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第14章 あなたへの恋文(家康)


交換恋文を始めてしばらくた経ち、
明日は家康が秀吉と共に内偵視察に立つ。

その日の朝、家康は最悪な目覚めを迎えていた。


(よりによってなんであいつが夢に出てくるんだよ!)


大した夢ではない。起きごろの短い夢だった。
家康が安土城の廊下を歩いていると、一番見たくない男の後ろ姿が視界に入る。

あぁ…ついてない。無視だな

そう思って近づくと、その会いたくない男と話をしていたのは…

愛?

しかも、なんか顔赤くない?なんの話してるんだ…
くそっ。無視したかったのに…

近づくと声が鮮明に聞こえた。

「あのね、いつでもいいから…ありがとう!」

そう言って、何かを渡していた。

文?

なんで愛が三成に、照れながら文を渡してるの?
しかも、いつでもいいから…って…返事の催促?

『愛!三成!何してんだよ!』

つい声を荒げた。
すると愛は、

「何にも知らないのに、なんですぐそうやって怒るの!」

と、なんの躊躇いもなく怒ったのだ。



夢はここで終わり。
あまりにも嫌な夢すぎて、目はハッキリ覚めた。
だけど気分は最悪だった。


『はぁ…』

起き抜けから盛大なため息を吐く。

今日は明日の準備でやる事が沢山なのに…


「家康おはよう!起きた?」

そこに入って来たのは、先に起きて朝餉の支度をしていた愛だった。

「明日から暫く会えないし…今日も忙しそうだったから、
朝餉は私が作らせてもらったの」

はにかみながら、家康の褥のそばに膝をつく。

(夢は最悪だけど、このふにゃふにゃ見たらどうでもよくなったな)

『おはよう。朝から間抜けな顔でどうでも良くなった』

そう言って口元を綻ばせると、愛を抱き寄せて口付けをする。

「い、家康!朝から…」

『いいでしょ?昨日の夜だけじゃ足らなかったし、
あんな可愛い顔暫く見れないわけだし』

そう言って笑う家康に、

「馬鹿っ!早く着替えてね!」

と、真っ赤な顔の愛が着物を置いていった。

嫌な夢も忘れて、家康は着替えを始めたのだった。
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