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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第13章 忍びの庭 終章


『俺の持ち物も、やすやすと敵に送る気にはなれん』

その言葉に愛は、ハッと顔を上げる。

「それじゃあ…」

『お前が聡いと言っただろう。
いくら戦好きの俺とて、命の恩を忘れるほど落ちぶれてはいない』

そう言うと、謙信は三成を見る。

『今回は石田三成、お前の策を無条件でのむ。
さっさと用意をしろ』

「かしこまりました。それでは講和するための書状交換の準備を致します」

三成は、素早く準備を進める。

『謙信様…、いいんですか?信玄様とは…』

佐助が珍しく動揺を見せると、謙信は幸村をチラと見る。

『良くなければ、真っ先にこの男が黙ってないだろうな』

とだけ言った。

「謙信様…ありがとうございます」

愛は畏まり、深々と頭を下げた。

『もう良い。さっさと戻れ』

「はい!」

愛は、佐助と幸村にそれぞれ笑顔を向け、信長の隣へと戻った。

『佐助、お前は女の考えも、主君の考えもわからぬようだな。
帰ったら一から鍛え直すから、覚悟しておけ』

『女性の方もですか?謙信様が?』

謙信はジロリと佐助を見ると、

『春日山城には一番適任がいるだろう』

そう言うと、今度は幸村をチラと見る。

『教えるのはあまり上手くなさそうだな』

謙信がそう呟いた頃、

「用意が整いました。信長様、上杉殿、此方へお願い致します」

と、三成の声がかかった。


無事に書状の交換を終えて、織田と上杉には一先ずの講和を結ぶ。
晴れて佐助は謙信の元へと戻されたのだった。
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