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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第13章 忍びの庭 終章


信長に各々指示を出され、天守での集まりは解散になる。
今、愛は政宗と共に、天守から伸びる廊下を歩いていた。

「政宗、明日お料理作るんだね。びっくりしたよ」

政宗は明日の準備があるからと、台所に向かっているのだ。

『作るって言っても、明日はいつもの様に一人ではできない。
基本は全部台所番が作るさ。主要な物をいくつか、俺が出す。
一種の余興みたいなもんだ』

確かに、いつも開いている様な一部の家臣までの宴会ならまだしも、
安土城を上げての宴に、ずっと政宗が台所に籠っているわけはいかないだろう。

『いつもは信長様の誕生日の祝い料理だが、
明日は、お前だな。期待してろ。全く。主役のお前が居なくなろうとしてたとは、
随分大胆なこと考えるな、愛は』

面白そうに口元に笑みを浮かべながら、愛の頭をクシャクシャと撫でる。

「それは…不可抗力といいますか…なんとも…。
でも、ずっと何処かで気持ちは晴れなかったから、
こうなってよかったのかも…」

『お前、まだ気分が晴れたって顔してないぞ』

「うん…」

『あいつが、一緒に帰らない計画だったからか?』

その政宗の問い掛けに愛は顔を曇らせた。
佐助がなんでその選択をしていたかは、頭ではわかっているつもりだった。

『そんな顔するんなら、直接聞いてくればいいだろ。
いつものお前らしくないな』

「え?でも…」

困惑した表情の愛に政宗は続ける。

『お前をあの場所に行かせるのは、あまり趣味じゃないが、
牢には今光秀が付いているはずだ。
むしろ、気になってるなら今日しかないぞ。
宴が始まれば、お前は信長様の横から動けないだろ』

その政宗の言葉に、意を決した様に、

「うん。そうだね。気になった事に蓋をするのは、
やっぱり性に合わないかも」

と、しっかりした声で愛が言う。

すると、政宗は満足した様に、

『お前、久しぶりにいい顔してるな。
やっぱり、そういう愛じゃないと面白くないからな』

政宗は再び愛の髪をクシャクシャと撫でた。
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