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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第2章 特別な人(秀吉)


「三成くん、ありがとう。」

目尻を下げてお礼を言うと、三成の目元が赤らんだように見えた。

『い、いえ、秀吉様にお代も預かっていますから…』

と目をそらす。

(三成くん、可愛いな…)

『さぁ、次へ参りましょう!ええと、次は、小物屋ですね…』

丁寧に畳まれたメモ広げる三成。

「ねぇ、三成くん。」

それを見ていた愛は三成に声をかける。

『どうなさいました?』

不思議そうに三成が此方を見る。

「ねぇ、お団子買って、湖に行こう。」

愛の言葉に意表をつかれ、口をパクパクしている。

『ですが…』

「大丈夫。三成くんは悪くないから、秀吉さんに怒られることはないよ。
湖に行きたいの。」

俯きながら、繋いだ手をギュッと握り、そう伝えると、

『わかりました。そう致しましょう。」

ニッコリ笑って三成が答える。


途中の団子屋で、草餅を2人分買い、
愛と三成は城下から少し離れた湖にやってきた。

腰を降ろせそうな場所を見つけて、2人で座る。

「ちょっと歩かせちゃったね。ごめんね、わがまま言って。」

愛が草餅の包みを開けながら三成に謝る。

『久しぶりに身体が動かせて私も良かったですよ。
なにより、今日は愛様を独り占めできてるのですから、
私にとっては全てご褒美みたいなものですよ。』

「三成くん、いつも部屋に閉じこもってる事が多いもんね。
たまには、ちゃんと外の空気吸わないとだめだよ?
ご褒美にはならないと思うけど、いつでも私でよければお散歩付き合うから」

そういうと、三成の分の草餅を差し出す。

ありがとうございます、と三成が受け取ると、
2人は暫く無言で草餅を頬張る。

ふと三成を見ると、餡子が口元に付いているのに気づかないようだ。

ぷっ…くすくす…

キョトンとする三成。

「もう、三成くん、餡子付いてるよ!」

と、笑いながら愛は三成の口元についた餡子を取り、
無意識でパクっと自分の口に運んだ。

『愛様…!』

三成は、リンゴのように顔を真っ赤にする。
それを見た愛も、大層なことをしてしまったと気づき、
顔が熱くなる。

「ご、ごめん……!つい…」

『い、いえ…ありがとうございます』

2人して俯き、再び無言で草餅を頬張る。



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