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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


嫉妬?


私情?


このわたくしが、そのようなものを持ちわせていると?

光秀様は…不思議な事をおっしゃる。

わたくしが愛様に抱いている感情は…



光秀が去っ部屋に1人残された三成は、
光秀の放った突拍子も無い言葉を心の中で復唱していた。

愛の行動一つ一つに囚われ、
上杉の忍びの存在を疎ましく思っている。

全ては、織田軍の情報漏洩を防ぐため。
そう言い聞かせて、今まで深く考えなかったものが、
今、全てが明るみになる。


ーお慕い申し上げておりますー


確かに自分は、その言葉を口にするところだった。
後一歩のところで踏みとどまったが、
光秀には全てわかっているのだろう。



光秀様は、なぜ三成の私情をわかっている上で、
この隠密計画に力を貸してくれていたのか…


あのお方は、優しいお方ですね…
私のような者のために…



周りからは狐と罵られ、つかみ所のない笑顔を携え、
ふらっと居なくなっては有益な情報を持ち帰る。

そんな光秀を、三成嫌いではなかった。
自分の主君である秀吉との反りは合わないが…
しかし、目指しているものは同じ二人。


愛様…あなたとあの忍びとは、
どの様な間柄なのでしょう。
間謀ではないという事は、やはり…


三成は知らず知らずのうちに、拳を固く握り締め、
その掌は白んでいた。



あの方の、笑顔が見たい…
お茶を飲みながら…
あの方に触れて…みたい…


今まで経験した事のない感情に、
三成は戸惑いながらも、笑みを漏らす。




いつぞや目を通した文献に書いてありました。
きっと、これが…



というものなのでしょうね。



あなたが居なければ不安に押しつぶされそうになる。
あなたの笑顔を見れば、世の中が色濃く映り、
あなたと食べる食事は、いつも美味しい。



明日、愛様に朝一番で逢いに行きましょう。
朝餉の前に少し散歩にお誘いして…

自分の気持ちに気付かされた三成は、
不思議と清々しい気持ちが身体に流るのを感じているのだった。
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