• テキストサイズ

イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


(佐助君も、私のように大切な人達が出来たんだ…)

安土の武将たちの暖かさや、優しさ、そして厳しさに触れ、
誰にも傷ついて欲しくないと、愛は心から願っている。

その、一人一人への思いを込めて、晴れ着を縫っているのだから。
だから、佐助の気持ちは痛いほど伝わってきた。

「わかった。佐助君、くれぐれも気をつけて…。
私は、私の出来ることを精一杯するから。
そして、佐助君のこと、信じて待っているからね」

本当は泣きたい気分だった。
込み上げて来る涙が溢れないように、笑顔で見送りたいと、
唇をギュッと引き締めた。

その姿を見て、佐助は表情を緩める。


『愛さん、いいから。我慢しないで。
俺の前では、我慢しなくていい。
ありがとう。俺を心配してくれてるんでしょ…』

そう言いながら、そっと愛の頬に手を伸ばす。
優しく触れた指先に、言いようのない不安と、
そして同時に安心感が、波のように愛を襲った。

「さす…け…君…」

愛の目から、一粒の涙が落ちる。
佐助の指に、熱が伝わる。

佐助は、掻き抱きたい衝動をグッと抑え、
優しく愛を抱きしめた。

『大丈夫だから。君を絶対に一人にはしない。
約束する。だから、もう少し待っていて』

愛も佐助の背中をギュッと抱きしめ、
声にならない嗚咽と共に、ただひたすらコクコクと頷いた。

『もし、ワームホールが開くのが戦より前になるようなら、
もちろん君を優先する。必ず現代に送り届ける。
戦の後になるようなら、しっかり織田軍に守ってもらって。
無茶はしないって、約束できる?』

抱きしめていた腕を緩め、佐助は優しく愛の顔を自分に向かせる。

「うん。約束するよ。佐助君を困らせるようなことはしないから」

その言葉を聞くと、佐助は口元をほころばせ、小指を差し出す。

『ゆびきり』

愛は、佐助の小指に自分の小指を絡ませる。

〈指切りげんまん 嘘ついたら 針千本 のーます〉

小声ながら、まるで子供のように指を絡ませた手を振って、指切りをする。

「ふふふ…なんか昔に戻ったみたい」

『良かった。君の笑顔が見られて。
それじゃあ、約束だからね』

最後にそっと愛の頭を撫でて、
佐助は夜闇に消えて行った。
/ 773ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp