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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


部屋に戻った愛は、自己嫌悪に襲われていた。

(政宗…あんなに豪華にお料理作ってくれたのに…
悪いことしたな…謝りに行こうかな…)

自分のモヤモヤした感情の理由がハッキリしない今、
政宗に対しては完全に八つ当たりだったと思う。

秀吉から、政宗が夕餉を作っていると聞いた時は、
本当にワクワクした事は嘘ではない。

それでも、目の前で三成や秀吉の態度を見ていると、
無性に腹立たしいような、悲しいような気持ちになってしまったのだ。

(うん。やっぱり、政宗に謝りに行こう)

そう思い、腰を上げた時、

『愛さん、いる?』

庭側の障子から、低い声が囁くように聞こえた。

「えっ?」

聞き覚えのあるそに声に、慌てて障子を開ける。

「佐助くっ…!」

大声を出しそうになる愛の口を、慌てて佐助が塞ぐ。

『しっ!大声出さないで。バレたらまずい』

口を塞がれたまま、コクコクと頷く愛を見て、
漸く塞いでいた手を退ける。

「びっくりした…どうしたの?」

愛はまだ驚いたように、でも声は小さく訊いた。

『君に、どうしても伝えておかないといけない事があって』

(やっぱり、話したいことあったんだ)

夕方の別れ際を思い出す。

「どうしたの?」

『実は、今から俺と幸村は春日山に戻るんだ。
暫くは戻ってこれない』

「え?今から?暫くって…」

愛が不安そうな顔をする。佐助は、表情を崩さずに淡々と伝えた。

『上杉が改めて織田に戦を仕掛ける。
その準備のために、急遽戻るように命じられた』

ー戦ー

その一言が愛をどうしようもなく不安にさせる。
上杉が織田に仕掛けるという事は、本格的に敵味方に分かれてしまう。

「佐助君も…戦うの?」

一番不安なことを口にした。

『あぁ。謙信様の右腕として、軒猿のトップとして、
戦いは免れないと思う』

佐助も少しだけ顔を曇らせたように見えた。

「佐助君…。行かないでって言っても…無理…なんだよね?」

恐る恐る声に出す愛に、静かに頷く佐助。

『ごめん。俺にとってかけがえのない大切な上司や仲間なんだ。
でも、必ず君のことは守るから』

覚悟を決めている力強い目が愛を見つめる。
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