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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


「でもね…二ヶ月後って…」
愛が急に顔を曇らせる。

『そうだな…ちょうどワームホールが現れる頃かもしれない。
俺の計算はまだ終わってないが、漠然と君の誕生日の頃だろうと考えていたから』

「やっぱり…そうだよね」

愛は、宴の日にちを自分の誕生日にした信長や、
晴れ着の出来上がりを楽しみにしてくれている武将たちの気持ちを考えると胸がチクリと痛んだ。

「置き土産になったとしても…喜んでくれるなら精一杯作るよ」

泣きそうな気持ちを堪えて、佐助に心配かけまいと必死で笑う。

『愛さん。俺には無理して笑わなくていいから。
君が一生懸命なことも、優しいことも、全部知ってるんだから』

佐助の温かい言葉の温度が、そのまま胸に流れ込む。
ここが、外でなければ泣いてしまっていたかもしれない。

『さぁ、着いたよ。此処に用があったんでしょ?』

佐助に言われて歩を止めれば、いつの間にか、みよしのの前に来ていた。

「何でここ知ってるの?」

キョトンと首を傾げる愛の肩で、ウリも一緒に小首を傾げる。

『君たちは連動しているのか?いや、まさかな…
あそこで幸村と四時間くらい隠れてたから』

そう言うと、店の斜向かいの路地を指差す。

「そ、そんなに?幸村にも悪いことしたね…」

『いいんだ。嫌だったら帰ってただろうから』

すかさず答える佐助の様子から、二人は仲が良いのだろうなと思った。

『それじゃあ、俺はもう行くよ。織田軍に見つかると面倒だから。
本当は送って行きたいけれど、愛さん気をつけて帰って』

佐助が名残惜しそうに愛の顔を見る。

「うん。ありがとう。佐助君こそ気をつけてね?また…逢えるかな…」

愛が不安そうな顔をする。

『流石に、暫くは忍び込めないかもしれないけど…
でも必ず会いに行く。君は気にせずに、着物作りを精一杯楽しんで』

口元を綻ばせながら、佐助が愛に言う。

「うん。私の唯一の取り柄だから…
みんなに喜んでもらえるような物作るね」

愛の言葉を聞き、安心したよう顔を見せた佐助は、
いつもの二本指を立てて去って行った。

(君は自分が思っている以上に取り柄だらけだ)

佐助は隠れ家へと帰って行く。愛には言えなかった事実を抱えたまま…
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