• テキストサイズ

イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


昼間の喧騒が嘘のように、夜の城下は静まり返っていた。

「秀吉さん、心配してるかな?」

『今頃、門の前でそわそわしているかもしれませんね』

愛は、三成の言う姿を想像してクスクス笑い出す。
三成も、つられて笑顔になる。

『愛様の笑顔は、不思議と伝染しますね。
笑顔がとっても素敵です』

臆面もなく言う三成に、少し気恥ずかしくなるも、

「三成くんの笑顔の方がとっても素敵だよ?
私、そのエンジェルスマイルに何回助けられたことか」

と、素直な気持ちを伝える。

『えんじぇるすまいる?ですか?』

愛の発する言葉に、キョトンとする三成。

「とにかく、最高に素敵な笑顔って事!」

『愛様に言って頂けると…なんだか胸が温かくなるような感じがします。
今まで、こんな事はなかったのですが、一体これは何なのでしょうね』

自問自答するように呟いていた三成だが、
突然、笑顔を消し立ち止まる。

「どうしたの?」

『愛様、絶対に私から離れないで下さいね。
すみませんが、反物を少しの間お持ちいただいてもよろしいですか?
重いのですが…』

そう言うと、愛には誰も見当たらない通りを見渡し、
刀の柄に手をかけ、チャキっという音を響かせる。

「み、三成くん?」

『ねずみが付いてきているようですので…』




『おい、まずいぞ、三成に気づかれたな』
幸村が殆ど聞こえないくらいの声で佐助に話しかける。

「この静けさでは、これ以上は無理か…
石田三成…、少し侮ってしまったな、
仕方ない。一回退散しよう」

『全く…ここまで待ってこれかよ…』
そう言うと、肩をすくめながら佐助の消えた方に姿を消した。



愛は、突然険しくなった三成に、複雑な気持ちになる。

(やっぱり三成くんも…戦国時代を生きてるんだよね…)

暫く静かに佇んでいた三成が、ふっと力を抜いた。

『逃げられましたね』

『愛様、重たかったですよね。すみません』
渡していた反物の包みを受け取る。

「ご、ごめんね、ずっと持たせてて…半分持とうか?」
愛は突然の出来事に、言葉を探す。

『大丈夫ですよ。さぁ、急いで帰りましょう。秀吉さんが待ってます』
三成は緊張している愛に、柔らかい表情で声をかけた。
/ 773ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp