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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


『おい、いつまでここで、こうしてるつもりなんだ?』

幸村は少し苛立った声で、佐助に話しかける。
もう、一刻は通りの物陰に潜んでいるだろうか。

「愛さんの後をつけたいんだ。
飽きたなら戻っても構わない」

淡々とした表情で言われると、少しだけカンに触るが、
いつだって同じ表情か…と、諦めの域に達する。

『お前なぁ…。後をつけて、見つかったら一人じゃ洒落にならないだろ』

佐助からは、それ以上何も言葉は発せられない。

『仕方ねぇ。やる事もないし、まぁ愛がどこでなにしてるかも、
織田の偵察してるには違いない。
とことん付き合ってやるとするか…』

呟くように言う幸村をチラっと見る佐助。

『な、なんだよ、文句あんのかよ』

「幸も愛さんの事気になってるんだろ。
わかりやすくバレている」

『ばっ…!お、お前と一緒にすんなよ!』

幸村は、慌てたように言うと、目元をほんのり赧めて目線を逸らす。

「あんまり大きな声立てないで」

それでも無表情の佐助の言葉に、

『お前…やっぱ色んな意味ですげぇな。
忍びやってて良かったと思うよ』

幸村の真意を測りかねるが、佐助は何も言わず、
ずっと反物屋で真剣な表情をしている愛を見つめているのだった。




愛が、全員分の生地を決め終わった頃には、
もうすっかり陽も落ち、あたりは夜闇に覆われていた。

『本当に、こんな時間まですみませんでした。
でも、お陰様でとっても納得のいく生地が選べました!』

反物包んでくれている主人に向かって、深々とお礼をする愛に、

『いえいえ、こちらこそ、久しぶりに良いものを見させて頂きました。
見た目の柄だけでなく、織り方や染め方までじっくり吟味していかれるお客様は
そうそういらっしゃいませんからね。私もとても楽しかったですよ』

そう言うと、包んだ品物を三成に渡す。

「三成くんもごめんね?暇だったでしょ?
本でも持ってくれば良かったね…」

『いえ!愛様の真剣な顔や、嬉しそうな顔など、
普段はあまり見られない色々な表情が見られて、特をした気分ですよ
読書など、いつでも出来ますが、反物を選ぶ愛様は今日だけですからね』

ニッコリ笑って言うと、風呂敷を受け取る。

『では、参りましょう』

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