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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第1章 ワームホールはすぐ側に(家康)


(あったかい…)

愛は心地よい温かさに包まれていた。

何度も感じた、後ろからギュッと抱きしめられる感触。
そんな時はいつも、ヒロトの声が聴こえた。

(きっと私をいつも心配していたんだろうな。
でも、もう大丈夫だから。
私は、私の大切な人を一生離さないって決めたよ。)

「ヒロト…ありがとう…。」

『ん…』

「もう、大丈夫だよ。
私、家康の事、一生離さないから。」

『…うん』

「ヒロトが教えてくれた。
だから、私の今一番愛してる人に、絶対悲しい想いはさせないよ。」

『…うん』

「でも…もしかしたら私が嫌われちゃったかな…。
そしたら、また慰めてくれる?
きっと、あの人に嫌われたら、私一生かかっても立ち直れないよ…。
そのくらい愛しくて、大好きなの。
もう、失くしたくないの…。」

そう告げると、止めどなく涙が溢れてくる。

『ねぇ。』

「うん…」

『ねぇ、愛?』

「う、うん?」

『ひろとって、誰?』

後ろから抱きしめている腕の力が、ギュっと強くなる。

「え…?えっえっ?」

愛は閉じていた目を、こわごわ開ける。
目の前には、見慣れた部屋と、褥の端っこが見える。

『ねぇ、誰と話してたの?』

振り返りたいが、強く抱き締められてて動くことができない。

「い、えやす…?」

そう言うと、フッと力は緩められ、その腕が愛の肩を掴み
クルッと反転させられる。

『誰が、誰を嫌ってるって?』

そう言うと、愛の大好きな瞳が真っ直ぐに自分を見つめる。

『俺に抱かれながら、誰と話してたの?悪い子…』

そう言うと、愛の唇をそっと親指で触れる。

「んっ…。ごめんな…さい。」

『謝らないで。謝るのは俺の方…』

そういうと、愛の頭をグッと自分の胸に押し込むように抱きしめる。

『一生離さないのは俺の方だよ。
愛が目の前で消えた時、心臓が止まるかと思った…。』

愛は、押し付けられた胸の中で、家康の早まる鼓動につられ、
自分の鼓動が早くなっていくのを感じていた。

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