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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


「ただいま帰りました」

秀吉の部屋の前で声をかける。

ある程度の仕事を終えたのか、
襖をあければ三成とお茶を飲みながら煙管を燻らせる秀吉。

『おい、遅かったじゃないか。
すぐ帰るって言ってただろ?』

「つい、ゆっくりしちゃった…」

申し訳なさそうに愛が微笑むと、

『じゃ、俺は帰りますよ』

後ろから家康の声がする。

『家康が迎えに行ってくれたのか?
悪かったな。お前も夕餉食べて行ったらどうだ』

秀吉が声をかけるが、

『大丈夫です。三人で仲良く食べて下さい。
俺は一人でゆっくり食べますから』

と、立ち去ろうとする。

「家康様、みんなで食べた方が美味しくなるって
愛様が教えて下さいました!ご一緒にいかがですか?」

三成がすかさず口を挟むが、

『それは、誰と食べるかによるだろ。
どうぞ三人で美味しく食べて下さい。じゃ』

「あ、家康ありがと…」

愛の礼も間に合わないほどの速さで
今度こそ立ち去ってしまった。

『全く…あいつは相変わらずだな』

秀吉が呆れたようにため息をつく。

「今度、家康にちゃんとお礼しないとな。
あ、そうだ、三成くん、頼まれてた寝間着出来上がってるの気づいた?
さっき言い忘れちゃって、書庫において来ちゃったの」

愛が思い出したように話す。

「えぇ、拝見致しました。ありがとうございます。
まるで新品のようでした。あと…とても良い香りがしました。
早く、閨に入りたくなりますね」

破壊的なエンジェルスマイルを振りまきながら、三成は嬉しそうに言う。

『お前…なんか…いや、なんでもない。
よし、夕餉にするか』

キョトンとしている三成と愛を促すように秀吉は立ち上がる。

愛は秀吉がなんと言いたかったのか気になったが、
また遅れを取らないようにと、慌てて秀吉を追った。
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