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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


「私は大丈夫だから、三成くん食べてね」

三成は一口団子を口にして、何かを考えるように動きを止める。

「どうしたの?美味しく無い?」
険しい顔で口をもぐもぐと動かしている三成を心配そうに見る。

『いえ…でも、一緒に食べた方がより美味しく…なるのですよね?』

一緒におにぎりを食べた日を思い出す。
自分が教えた、〈一緒に食べた方が美味しい〉という事を
今でも三成は意味がわかっていないのかもしれないと愛は思った。

「うん。そうだね。
じゃ、三成くんのお団子がもっと美味しくなるように、私もこれ頂こうかな」
と、冷めた方のお茶を手に取る。

『愛様、どうぞこちらの温かい方を召し上がって下さい』

慌てて三成が言うと、愛はにっこり微笑んで、

「あったかいのは三成くんのために淹れたんだから。
それに、私冷たいお茶の方が本当は飲み慣れてるんだ」

と言った。

(コンビニで買うお茶は冷たくて当たり前だったけど、
この時代では滅多に飲まないよね、冷たいお茶って)

三成は少し驚いたような顔をするが、素直に

『ありがとうございます。宜しければ甘味も召し上がって下さい』
と、エンジェルスマイルを愛に向けた。

「三成くんの笑顔は、本当に癒されるなぁ。私もそんな笑顔が出来たらいいのに…」

『愛様の笑顔は、いつも私を不思議な気持ちにさせます。
とても素敵で…。でも、いつもいつも身体の中から知らない何かが湧き上がるのですよね…
心の臓が早くなり出したり。これは何なんでしょうね。今まで経験がありません』

(まさかね?うん。まさかだよ)

その症状を何と無く知っている気もしたが、あえてわからないふりをする。

「心の臓なんて…どこか具合が悪いの?三成くんがちゃんと身体休ませないからだよ。
三成くんがいなくなったら、秀吉さんも困っちゃうから、今日はちゃんと布団で寝てね?」

『そうですよね。私がいなければ、この量の仕事を秀吉様がやることになってしまいますから。
気をつけるように致します』

(そ、そういう意味じゃなかったんだけどな…)

「今日は、ここで夕餉を食べて行くように言われてるから、三成くんも一緒に食べようね?」

その言葉に、三成はパッと顔を輝かせる。

『夕餉まで美味しく食べられるのですね!』
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