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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第11章  忍びの庭 前編(佐助)


(忙しかったら…もしかしてまたご飯食べてないとか…)

寝食を忘れがちな三成をふと思い出す。

(秀吉さんも急ぎの政務に追われてるって言うから、
三成くんの監視出来てないかもね…よし)

秀吉の御殿に行く前に、甘味屋に寄ってお団子と饅頭を買った。


御殿につくと、秀吉の部屋に通され、挨拶をする。

「秀吉さん、こんにちは。愛です」

声をかけると、中から秀吉の優しい声がする。

『愛か?入っていいぞ』

襖を開けると、文机にうず高く積まれた書類や本のようなものに囲まれた秀吉がいた。

「わぁ、凄いね…。これはウリ見てられないね」

書き物の手を止めると、秀吉は繋いでいるウリを連れてくる。

『そうなんだよ。走り回ると危ないし困ってたんだ。
悪いけど、宜しく頼むよ。夕餉はご馳走するから食べて行けよ』

愛の腕の中に収まったウリは、撫でられて気持ちよさそうにしている。

「え、いいよいいよ。ちゃんとお城戻って食べるから。
忙しいのに気を使わないで?」

秀吉は顔をしかめながら、

『そういうわけにはいかん。わざわざお前の手をわずらわせるんだ。
夕餉までにはひと段落つきそうだから、俺も一緒に食べるから。な』

そう言うと、ウリを撫でている愛の頭を同じように撫でる。

「もう、私だかウリだかわからないじゃない」

そう言って笑いかける愛が、どことなく元気がないような気がして

『どうした?何かあったのか?元気がないな』

「え?さっき政宗にも言われたんだよね…。
でも、大丈夫だよ。何にもないから。あ、それより三成くんは?」

愛は、自分を心配されるのがいたたまれなく、話題を変える。

『あいつは書庫で調べ物をしてもらってるが、そういえば見てないな』

「もしかして…またご飯食べてない?」

『しまった…朝は気にかける暇もなかったな』

秀吉はやってしまったとばかりに、手で顔を覆いながら言う。

「じゃあちょっと見てこようかな。
そんな予感がしたから、秀吉さんと三成くんに差し入れ持ってくたの」

そう言うと、甘味屋の包みを見せる。

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