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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第1章 ワームホールはすぐ側に(家康)


自分の気持ちに嘘がつけないことを、
今更思い知る…。

「家康!!」

どんなに叫んでも、フワリと漂うそこには、
何も見えない…。

でも、不思議と何もそれ以上の事が起きない。
ここは、どこ?

何もない空間を漂いながら、途方に暮れていると、
急に近くで声がした。

あっ…

まただ。目に見えないのに、感じる。
誰かが後ろから抱きしめている。

《愛はまだこんなとこにいるの?》

ヒ…ロト…

《昨日ちゃんと伝えたはずだよ。
愛は今を生きているんだ。どの世界にいようと。》

ヒロト!!

《俺は後悔してる。あんな言葉を最後にいなくなった事。》

私も…!現れないで、なんて言ってごめんなさい…!

愛は何を話そうとしても、
それは声にならない。
ただ、頭の中に響いている言葉を把握することしかできない。

《もう、誰にも同じ想いをさせないで。
本当に大切なモノは、しっかり自分の手で掴まなきゃ…》

い、えやす…?

《そう。愛の大切な人に、
愛と同じ気持ちにさせちゃダメだ…》

そうだ。
「私の側に現れないで」
という言葉を最後に、本当に居なくなってしまったヒロト。
あの言葉さえ言わなければ、お兄ちゃんもいなくなる事はきっとなかった。

きっと家康も、つい口から出たんだ。
「500年後に帰った方がよかったんじゃないの…」
これで本当に自分が居なくなってしまったら…

自分と同じような後悔を一生背負わすことになる。
そんなのダメ!!

(お願い!家康の元へ返して!!お願い!)

そう強く思うと、誰かに抱きしめられていた身体は
ふっと解放される。
そして、急に全身が濡れる感覚に包まれ、
愛は意識を手放した。
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