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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第10章 たんぽぽ(政宗)


『お前は本当に可愛いな。はしゃぎっぷりが子供みたいだ』

顔を綻ばせて政宗が言うと、

「政宗だって、可愛い笑顔で眠ってて子供みたいだったよ?クスクスっ…」

愛も思い出し笑いをする。

『おい、それ誰にも言うなよっ』

目元を赧らめて政宗が言う。

「言わないよ。私だけが見れる政宗の事、
勿体無くて誰にも言えない」

『だーから、そう言う可愛い事言うな。また襲うぞ!』

その言葉に愛の顔はカーッと熱くなる。

「も、もう。本当に傷治らないんだからね」

『まあ、それは後でな。
出来た着物見せて見ろ。俺をほっといたんだから、
相当な出来なんだろ?』

「だから、ごめんて…」

言いながら、愛は出来上がった晴れ着を政宗に渡す。

政宗は丁寧に受け取ると、ゆっくり隅々まで眺める。

「どうかな?」

政宗は心配そうに訊く愛に顔を向けると

『お前やっぱり凄いな…。この刺繍、全部やったんだろ?』

そう言いながら、菜の花の刺繍を優しく撫でる。

「うん。春菜ちゃんの由来、政宗が教えてくれたから」

少し照れながら愛が答える。

『このふわふわした飾りは見たことがないな』

襟に沿ってつけられた、薄い緑色の装飾をまじまじと見て言う。

「それは、フリルって言うんだよ。薄い生地を寄せて縫い付けるの。
肌には当たらないようにしたんだ」

『あいつの子供に、愛の愛情いっぱいかけてやったんだ。
きっと、いい子に育つだろうな』

そう言う政宗の目は、とても優しかった。

(なんだかんだ言って、政宗が一番愛情深いのにな)

愛は心がぽかぽかと暖かくなるのを感じた。

『よし、あいつを呼んで見せてやろう。
向こうに持って行っても汚れると困るからな』

「うん!ありがとう!
早く奥さんと娘さんに届けてあげたいな…」

『そうだな。俺が早馬飛ばすか?』

「え?また怪我するよ?」

『ははは、冗談だよ。まずは今晩、夕餉に呼んでやろう』

そう言うと、晴れ着を愛に戻し、
政宗は愛の頭をポンポンと撫でた。
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