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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第10章 たんぽぽ(政宗)


心地よい温もりの中、朝の光に愛は目を覚ます。

「ん…もう朝か…」

ふと、隣を見ると自分の方に身体を向けてまだ眠っている政宗。

(政宗、寝顔もかっこいいな…。なんか、笑ってる見たいな顔して寝てる…)

「ふふっ…どんな夢みてるんだろ…」

一度戦に出れば、独眼竜と恐れられる武将が、
今自分の横で穏やかな顔で眠っていることが、
この上なく愛しく思えて、そっと髪を撫でる。

まだ眠っているのに、頭を撫でるとより一層口を綻ばせるように見えた。

「気持ちよさそう。なんかかわいいな…ずっと…平和になったらいいのに…」

今この瞬間はここが戦国時代だと言うことを忘れさせるくらい幸せだ。
愛は眼帯が取られている右目を見て、胸がギュッとなる。

(母親が…息子を殺そうとするなんて…)

そこには、いやが応にもここが乱世だと言う事を思い出させる。

「もし、政宗との間に子供が出来たら、
政宗はきっといっぱい愛情を注いでくれるんだろうな」

娘だったら、お嫁に行かせてくれないかも?

息子だったら、政宗に似て強くてかっこいい武将に…

でも…戦わなくていい時代になって欲しいな…

きっと、政宗の家臣だって産まれたばかりの我が子の側にいたいよね…


色々な想いが愛の胸をいっぱいにする。

「政宗…」

まだ寝息を立てている政宗の形のいい鼻先にそっとキスをする。

『ん…愛?』

「ごめんっ起こしちゃった…」

『お前…なんで泣いてるんだ…』

政宗がそっと目を開けると、目の前には愛の顔。
その瞳には今にも零れ落ちそうな涙が見えた。

「えっ?やだ…。何でもないの」
愛は自分が無意識で泣いていた事に驚いた。

『何でもない事ないだろ?』
政宗の指がそっと涙を拭う。

「政宗の寝顔が可愛いなって、大好きって思ってただけだよ?おはよ」
愛がはにかんで言う。

そう。自分がこんなに愛しく思えるのに、
自分の産んだ子供に毒を盛るって一体どんな気持ちなんだろう。
覚えてないって言ったけど、母親に毒を盛られた政宗はどんな…

『おはよ。お前に寝顔見られるとはな。
で?愛はそれで俺を誤魔化せたとでも?』
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