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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第9章 アイ(家康)


信長の顔を真っ直ぐ見据えてしっかりした声で言う愛に、
秀吉は、目を細め、

「愛もすっかりこの時代の姫になってきたな。
お前を危険な目に合わせないように、三成と光秀にはしっかり護衛させる。
でも、無理はするなよ?疲れたらすぐ三成に言え。
まだ寒いから風邪ひかないように、しっかり準備して…」

『おい、秀吉、それは後にしろ』
呆れたように信長に言われ、

「はっ。申し訳ございません」
と、秀吉が小さくなる。

『家康。お前の心配もわからなくはないが、
愛がやると言っている。信じてやるんだな。
お前はさっさと真相を探り、片付けてこい』

信長が家康に諭すように言う。

「わかってますよ…言われなくてもさっさと終わらせます」
目を背け、不貞腐れたような声を出す家康。

『私は先に出ますが、三成と愛には二日後に出立させます』
光秀が言う。

「じゃ、俺たちも用意でき次第出発して、さっさと終わらせようぜ」
政宗がニヤニヤしながら家康の背中を叩く。

『よし。ではそれぞれ準備を抜かるな。
では今宵は出立前に景気付けに宴を開く』

そういうと、羽織をはためかせ、
さっさと広間を後にする。



信長が去ると、緊張感が一気に切れた愛は、
「はぁ…」
と、深いため息をついた。

『愛様、数日ですが、宜しくお願いします』
三成がエンジェルスマイルを愛にむける。

「うん。宜しくね。三成くんお世話になります」
そういうと、大げさに三つ指をつき、頭を下げた。

『ちょっと、何やってんの。
馬鹿じゃない。そんな大袈裟に』

家康が近くまで寄ってきて不機嫌な声を出す。

「だって、私の命は三成くんにかかってるんだから。
大げさじゃないよ!」

『俺にもかかっているぞ、愛』
不敵な笑みで光秀もやってくる。

「光秀さんも、宜しくお願いします!」

『ああ…なんか最悪な二人に愛を預けるなんて…』
家康は、組んだ両手の拳を額に当て、
大げさに項垂れてみせる。

『家康様、心配ありません!私と光秀さんは仲は悪くないですよ?
愛様はしっかりお守りしますからね。
安心して三河方面の探りに行って来てください!』

そう笑顔で言う三成を見て、もう一度深い溜息をつくのだった。
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