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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第1章 ワームホールはすぐ側に(家康)


愛付きの女中に声をかけると、
愛はまだ起きてきていないと言う。

一抹の不安を覚えながら襖を開けて中に入ると、
そこにはスースーと寝息を立てている愛がいた。

(良かった…居た…)

音を立てないように褥に近づく。
側まで来て、顔が見える位置に胡座をかいた。

気持ちよさそうに眠る頬を触ろうとして
ピタリと止まる。

その頬には、泣いたであろう後が
クッキリと残っていた。

「ごめん…。」

そう言って、涙の跡に優しく触れる。

(まだ、もう少し寝てるといいよ…)

頬に軽くチュッと口付けをして、
家康は愛の部屋を出た。

天井では、その一部始終を見た者が
ゆでダコのように真っ赤になってる事も知らずに…。



部屋を出ると、前から政宗が歩いてくる。

(こっちも会いたくなかったんだった…)

『よぉ!家康。
昨日はちゃんと宜しくやったのか?』

そういうと、ニヤリと笑う。
ふと見れば、愛の仕立てた羽織を纏っている。

(確かに似合ってる。昨日ちゃんと褒めればよかった…愛を。)

色々と後悔しかない。

『どうした浮かない顔して。
まさか…お前たち……』

「喧嘩…しました…」

家康は居心地の悪そうな顔で政宗に告げる。

『何でだよ!
折角俺が料理まで作ってやったのに!
愛は食べてないのか?』

「いや、それは美味しそうに完食してました」

家康がそう答えると、
政宗は、そうかそうかと満足気な顔をする。

『どうせ、また家康が下らん天邪鬼出して
愛を困らせたんだろ?
あんまり愛を泣かせると、
俺が攫うからな。』

最後の真剣な顔にドキリとしたが、

「政宗さんには渡しませんよ。」

そう言うと、冷たい目で睨み返す。

『冗談だ。
愛は心底お前に惚れてるからな。
ったく、俺にしてりゃ幸せな顔だけ出来るものを。
あ、そうだ家康、御館様がお呼びだ。
領地視察の報告しろと。』

「それを早く言って下さいよ!」

『悪いな。俺も出向く所だ。
まぁ機嫌なおせ。』

そういうと、2人は連れ立って信長の待つ広間へと
向かうのだった。
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