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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第8章 私が髪を切る理由(幸村)


秀吉と幸村が、愛には秘密で会っていたあの日、
話し終えた秀吉は、
この時代では叶わないはずの愛の想いを叶えたかった。

愛のいた場所での幸せを、再現してやりたい。
秀吉の気持ちは膨らむばかりだった。

「幸村。今度、愛と三人で会わないか?
できれば、お前が安土にいるうちに」

幸村は意味がわからないという表情で秀吉を見る。

「敵味方は無しだ。だが、俺も堂々とはできない。
女中に重を作らせる。人目につかない場所で三人で花見をしないか」

その言葉に驚きながらも、本当に出来るのなら、
愛は喜ぶだろう。

幸村は愛の顔を想像し、ふっと笑いが溢れる。
『面白そーじゃねぇですか。行きましょう』

そう笑って答える幸村に、秀吉は安心した顔で

「悪いな、こんな事に付き合わせて。礼を言う」

そう伝える。

『それなら…』
佐助が口を挟む。

『サプライズがいいんじゃないかな』

《さぷらいず?》

『驚かせるってこと。
愛さんには内緒で、集合場所に連れてくるっていうのは?』

その時の愛の驚く顔を想像する三人は、誰とも無く笑い出す。

「いいな。そうしよう。
俺が愛を呼び出す。それで場所まで一緒に行こう。
幸村は先に佐助と用意をしていてくれ」

『え?俺もいいんですか?』

佐助が驚く。

「お前がいる方が、愛も喜ぶだろう。
あとは、いつにするか…だな」

キラキラと目を輝かせている佐助を見て見ぬ振りした幸村は

『それなら、元々愛と約束してる日があるから、
それを駄目になったと伝えて、その日に秀吉が誘えばいい』

「よし。それで行こう。
佐助は悪いが、少し早く俺の御殿にこっそりきて、
重を持っていってくれ」

秀吉に仕事を頼まれた佐助は、
尻尾があればちぎれんばかりに降っているだろうといるくらい喜んだ顔で

『任せて下さい!』
と胸を叩いて見せた。
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