第6章 恋の試練場 後編
『おいおい、朝から盛大に惚気てくれたものだな…』
信長の呆れ声が響く。
『愛。貴様が誰を好こうと、誰に愛されようと、
貴様の勝手だ。だが、忘れるな。俺はこの先必ず天下布武を成す。
その為にも貴様は、俺に幸運をもたらし続けなければならない。
それだけは忘れてくれるなよ』
信長が、今までとは違う真面目な声で愛に言う。
『三成に飽きたらいつでも来い。可愛がってやる』
そう言う顔は、もういつも通りの余裕たっぷりの笑みに変わっていた。
「飽きたりしません!でも…皆さんの元でこれからもお世話になります。
どうぞ、宜しくお願い致します」
そう言うと、改めて深々と頭をさげる。
恋の行方は三成の勝利。
でも、隙あらばと狙いを定める武将たちに取り囲まれた生活は
勝者とてうかうかはしていられない…
(戦よりも攻略が…難しいことがあるのですね…)
愛を中心に、各々武将たちが和気あいあいとしている様子を眺め、
三成は頭痛が増していくのを感じているのだった…。
第6章 終