第6章 恋の試練場 後編
〜三成〜
愛様がいらしてからというもの、武将の皆様は落ち着きがありませんね。
私も例に漏れず…ですが。
先日読んだ文献には、「一番近くで、長く時間を共にする者同士が惹かれ合う」と書いてありました。
愛様を手に入れるためには、まずは観察が必要です。
一番厄介なのは、秀吉様の世話焼きですね。
おや?秀吉様といる愛様は楽しくなさそうな顔をしていますね。
秀吉様が去った後、様子を探ってみましょう…
政宗様…また愛様をからかっているのですか。
口付けまで…
ただ、政宗様と光秀様の後は、非常にやり易くていいですね。
愛様の笑顔に触れるにはもってこいの方々です。
家康様は、なぜあんなにいつも不機嫌なのでしょう。
まぁあまり考えなくても良いのかもしれません。今のところは…
どうしてでしょう。私は愛様の笑顔を独占したくて仕方がありません。
でも…愛様が幸せな笑顔を見せてくれるなら、私のものでなくても…
いやいや、やはり、最初からの不戦敗はいけませんね。
この乱世、明日がどうなるのかわからないのですから。
愛様がもし、私を選んで下さったら、どんな明日が待ち受けるのでしょう。
この一時の乱世が終われば、きっと信長様が素晴らしい日ノ本を作ってくださっているはずです。
そこに、愛様と私の幸せもあるのなら…。
私の作戦は功をそうしたようです。
でも戦いは、これからです。
愛様がこの世から居なくなるかと思った時、
私は本当に生きた心地がしませんでした。
あなたを失くすなんて考えられませんでしたから…
特に家康様は…本当に注意が必要なようです。
愛様の心が揺さぶれないようにするための作戦を
常に考えて行かなければなりませんね。
愛様、心よりお慕い申し上げております。
あなたの全てを掴み取った今でも変わらず、永遠に…。
オマケ 三成 終