• テキストサイズ

イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第6章 恋の試練場 後編


『おい。愛。
貴様、それでは、前までと同じではないか』

信長が呆れたように口を開く。

「すみません…
でも…今は違いますよ…。
今は、遅れたことが申し訳なくて…」

『ほぉ?』
信長が楽しげに愛を見る。

「前までは、私が皆さんをわかろうとしてなかっただけですから…。
信長様は怖い方と思っていましたが、私のような者の話も聞いて下さって、
気持ちも汲んでくださって…ずっと気にかけて下さいました。
本当に感謝しています」

『気づくのが遅いが、まぁ良しとしてやろう』
信長は満足気な表情で笑う。

『おい、俺はどうなんだよ』
政宗がニヤニヤしながら訊く。

「政宗は…自分に正直なだけなんだってわかった。
急に触れてきたり、突然お料理作ってくれたりも、
きっと本能のままなんだと思う」

『おい、何にも褒めてねぇだろ…』

「ううん。本能のままに、私を喜ばせようとしてくれてたんでしょ?
目が覚めて、政宗の作ってくれたお粥を口にした時、
本当に生きてるんだって実感できて嬉しかった。
それに…私を助けるために火傷まで負って…
本当にありがとう」

満面の笑みを政宗に向ける。

『やっと素直になったか。
そうだ、お前は俺に振り回されて、でも、ずっと笑ってろ』

政宗もまた、満足そうに言う。

『ほぉ、じゃぁ俺にも聞かせてもらおうか』
光秀が面白そうに愛を見る。

「光秀さんは、意地悪なことばっかりですけど…クスクス」

『何故笑う?』

「光秀さんの柔らかい笑顔も知ってますから」

愛の言葉に一番驚いたのは秀吉だ。

『お前たち…なにがあった…』
秀吉の狼狽えた声がする。

「 何もありませんよ。ただ、言葉にするのは難しいです」
クスクス笑う愛と、意地悪な笑みをもらす光秀。

「秀吉さんは…お小言多いお兄ちゃん…」

『おい…』
秀吉が哀しそうな声になる。

「だと思ってたけど、心配してくれてたんだよね、私が危なっかしいから。
優しさが過ぎて、厳しく注意してくれてた。今ならわかるよ」

そう言うと、頬を赧らめて気まづそうな秀吉に微笑む。
/ 773ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp