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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第6章 恋の試練場 後編


「秀吉さんのおかげで、助かったね」

何と無くわかった愛は、歩きながら小声で三成に言うと、

『はい…ですが…』

浮かない声で三成が言い淀む。

「どうしたの?」
愛が振り返り三成を見る。

『愛様の素肌を秀吉様に見られてしまいました…』
大真面目な顔で三成が呟く。

「ちょっと!」
その言葉に愛は顔を赧らめた。

『政宗様や、光秀様じゃなくてよかったです…』

愛は少し考えてから、少し意地悪そうに、

「家康なら…大丈夫なの?」
と、わかりきった事を聞いてみた。

中々答えない三成をもう一度振り返ると、
少し後ろでピタリと止まっている三成。

「ど、どうしたの?」

愛は、廊下で三回目のセリフを言う。

『もしかして、家康様は私を酔わせて、その隙に愛様を…』
なにか聞き取れないことをブツブツと言い出した。

愛は慌てて三成の元へ戻り、
「は、早く行こう。みんな待たせちゃってるから…」

と、未だ何かを呟いている三成の手を引き、無理やり歩き出した。







『愛、お前の希望だったが、遅刻とは大胆だな』
信長の声が響く。

「も、申し訳ありません…」
愛は深々と頭を下げる。

『すみません、信長様。私が二日酔いになってしまったばかりに、
愛様まで遅れさせてしまいました』

しれっと嘘をつく三成に、愛と秀吉はギョッとする。

『まぁ良い。宴の翌日だ。大目に見てやろう。
どんな技を使って着物を手に入れたのかも聞かないでおいてやる。
早く座れ』

(う…信長様は何もかもお見通しなんだな…)
愛は改めて信長の察しの良さに半ば感心しながら膳につく。
三成も何事もないように自分の席に着く。


愛は、すでに食べ始めている家康をチラっと伺ってみる。

(いつも通りかな?)

『なに…』

ビクッと肩を震わせ、

「何でもないです…」
と、消え入りそうな声で言う愛。

光秀は相変わらずいつものように、
何を思っているのかわからない笑みで
愛を見ていた。
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