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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第6章 恋の試練場 後編


おずおずと信長に近づくと、隣に座るように促される。

「失礼します」

信長の隣に座ると、着飾った愛の姿はより皆に見えるようになった。

『愛、とても良く似合ってるぞ』
優しい目で秀吉が言うと、

『馬子にも衣装だな』
と意地悪そうに光秀が笑う。

『愛、もっと近くで見せてみろ』
と、信長が愛の腰を引き寄せ、自分に寄せた。

「えっ」

急な事に驚いて声をあげると、

『何か問題あるのか?』
そうニヤリと言いながら、チラと三成を見た。

『それとも、三成の隣の方がいいのか?』
そう訊かれ、愛は素直に

「はい…」

と答える。

三成は驚いたように、
『愛様!』

と、慌てた声を出す。

『ははははっ。素直だな、愛。
ちょっとした戯れだ。三成の元に行くが良い』

そう言うと、腰から手を離す。
解放された愛は、信長の顔を見る。
信長は、早く行けと言うように顎で促す。

三成と家康の間に座ると、漸く宴は始まる。

『今宵は愛の快気祝いだ。好きなだけ楽しむが良い』

信長は盃を片手に皆に声をかける。

『愛、沢山食えよ』
正面から政宗が声をかける。

「うん。ありがとう!
いただきます!」

元気に返事をする。

『火傷、殆ど治ったね。
でも、跡が残らないようにしばらくはちゃんと塗り続けなよ』

隣で家康が愛のうなじを見ながら声をかける。

「うん…本当にありがとうね。
家康が居なかったら、私今ここに居ないと思うから。
本当に感謝してます」

そう言って家康を見つめる。

いつもと違い、薄く化粧をして髪を結いあげ、
晴れ着で着飾った愛から、家康は目が離せなかった。

(こんなの、反則だろ…)

『おい、三成。うかうかしてると、家康に取られるんじゃないか?』

遠くから光秀が面白そうに声をかける。

「やめて下さい、光秀さん。勝手なこと言って…」
愛が怒ると、余計楽しそうな顔になっている。

『光秀、いい加減にしろよ…。
今日は愛が主役なんだ。怒らせたりするな』

隣で秀吉が訝しげな顔をして光秀を怒る。

愛は想像通りの事に、自然に笑が漏れた。

「クスクス…あははは」

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