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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第6章 恋の試練場 後編


家康が戻ると、身体を拭き終え、身なりを整えている愛と、
桶や手ぬぐいを片付けようとしている三成の姿。

『危ないっ』

家康の忠告は間に合わず、三成は思いっきり桶の水を被っていた。

『予想通りのことしかしないね、ほんと…
それでよく戦の戦術を考えられるもんだね…不思議』

先程のやりとりからの、家康の発言に愛は笑いが堪えきれずに
声を出して笑っていた。

(愛様が笑ってくれるなら、悪くないですね)
(愛が笑うなら、まぁいいか…)

二人は同時に思っていた事は誰も知らない。



家康は愛の治療を終えると、
先ほどの秀吉と政宗との会話を思い出す。

『今日は三成に愛を任せて、お前はしっかり休め』

確かに、いつ目覚めるかと気を張ってたこの数日、
家康はあまり眠れていなかった。
万が一容態が悪化したら…最悪の事態は頭の隅に置いていた。
屏風の裏に置いた褥さえ、殆ど使っていなかった。

今、この状態なら心配ないだろう。
でも…

三成と愛が相思相愛になった今、
二人だけにするのは癪だ…

そんな事を思っていると、

『家康様、秀吉様より、
愛様のお付きを交代するように言われておりますので、
今日はゆっくりお休みください』

と、三成に先に言われてしまう。

『わかってる…』
(ホント癪。すぐ人の思ってる事を先回りする…)

テキパキと自分のものを片付け、自室に戻る準備を進める家康は、
部屋を出る前に愛のそばへ寄った。

『なんかあったら、すぐに呼んで。
もう横になりなね』

そう声をかける。

愛は、昼間にしたように、もう一度家康を抱きしめた。
「家康、本当にありがとう…ゆっくり休んでね」

物を持っていた家康は直ぐに対応できずにされるがままになってしまう。

『ちょ、ちょっと!三成がヤキモチ妬くでしょ』
そう言って三成を見ると、驚いた顔をして

「愛様の感謝の現しに妬くなんて…」
少し考えた後、

「やはりそうですね。愛様、後で私にもして下さい」
と、真面目な顔で言う。

家康は
『付き合ってらんない』
とため息交じりに部屋を後にした。
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