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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第5章 恋の試練場 中編


「愛、入るぞ」

そう言って部屋に入ってきたのは、信長と光秀だ。
信長が直々に見舞いに訪れたとあって、
愛は慌てて褥から出て挨拶をしようとする。

「そのままで良い」
愛の行動を信長は制する。

「でも…」
それでもかしこまろうとする愛に、

『御館様が良いと言っているのだ。しっかり治して改めればいいんじゃないか?』
光秀がもう一度制する。

愛は秀吉をチラっと見ると、
無言の笑顔で頷いている。

「では、このままで失礼いたします…」

申し訳なさそうに頭を下げる。

「目覚めて良かったな。お前がおらぬと、城の中が沈み込んでいるようだ」

そう信長に言われて、愛はますます恐縮する。

「本当に…皆様にご心配おかけしてすみませんでした…」
そう言うと、深々と頭を下げる。

「…っ!」

身体を動かしてなかったから気づかなかったが、首筋に痛みが走る。
愛は気づいていなかったが、其処には軽い火傷の傷があった。

顔を歪めた愛を、光秀が見逃さなかった。

『愛、大丈夫か?痛むのか』
そう言うと愛の髪を避け、うなじを露わにさせる。
すると、そこには少し爛れた傷が見えた。

光秀がそれを指でつつ…っと触れると、愛の身体はビクンと震えた。

『光秀さん!』
家康の怒ったような声のなか、

『すまなかったな…くくっ
まぁ元気そうだ。身体はな』
と、意味深に笑う光秀。

「貴様…。勝手に傷を作るなと言っただろう」
信長が顔をしかめる。

「大丈夫です…。すみません…」
愛は目を伏せてずっと小さな声で謝ることしかできない。

すると、褥に座っていた愛の身体がグラッと揺れて、
隣にいる家康は慌ててその身体を支える。

『愛?大丈夫?』

ずっと寝ていた愛は、座っていた事で軽い眩暈を起こしていた。
「ごめん…なさい。大丈夫」

そう言うが、顔色は真っ青で、家康に預けた身体を自分で起こすことが出来ずにいた。

『信長様、少し寝かせて構いませんか?』
家康が訊けば、

「かまわん。早く寝かせてやれ」
と信長が言う。


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