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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第1章 ワームホールはすぐ側に(家康)


「…て、言うか、なんでここにいるの?」

当たり前の質問をまずぶつける。
城の愛のところなら、いざしらずだが
家康の御殿にまでいる理由がわからない。

『実は、明日まで愛さんを見張っている事になってまして…』

「は?」

『あ、勘違いしないでください。
家康さんとの逢瀬まで見張るつもりは全くなかったので…
覗きの趣味は一切無く…』

「は?そんなの当たり前でしょ。」

(こいつなんなの。また鬱陶しいのが登場したよ…)

「で、何を言いに来たの。」

『大変申し訳ないとは思ったのですが、
こちらの天井にたどり着いた時に、
ちょうど愛さんが泣いてるところでして…。
家康さんが言った言葉が気になったので、
愛さんが500年後にいた時の話を少しできれば…と。』

いつも淡々としている佐助の顔が少し曇ったのがわかった。
さっき放った言葉は全て本心でもないし、勢いでついて出た言葉だ。
それと、愛の過去と何が関係するのか…

「わかった。話して。」

『愛さんには、結婚…祝言を上げる約束をしていた人がいました。』

家康の心臓がドクっと冷えた。
急に核心をつくような所から始める佐助を
恨めしそうに見つめる。

「へぇ、どんなやつなの。
今頃、たいそう探してるんだろうね…」

『いえ。
その人はこの世には…あれ、あの世?
ちがうな、ええっと、俺達がいた世には、
もう居ません。』

「え?」

想像もつかない言葉にただ、驚く。

「それって…」

『愛さんや俺がこの時代に飛ばされる三ヶ月前に
とある事故で亡くなりました。』

家康は、もう声を上げず、続きを促す。

『500年後に移動手段として機械仕掛けで走っている、
車という乗り物の事故です。
実はそこには、当時の恋人と、愛さんのお兄さんが乗っていました。』

初めて聞くことばかりで、どうにか頭の整理をつけながら
佐助の声に耳を傾けていると…

「おい、入っていいか…」

(秀吉さん?)

「どうしました?」
家康が声をかける。

襖を申し訳なさそうに開ける秀吉の姿に
佐助の目がキラキラと輝く。
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