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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第5章 恋の試練場 中編


三成は、自分が真っ先に助けに行きたいのをぐっと堪え、
周囲の者に、近くに厩は無いかと告げる。

もし、愛の意識がなかった場合…
馬には乗せられない可能性もあるな…

そうも考え、米屋はいるか?と叫び、荷車を貸してくれと頼む。
すると、そこへ知った顔が駆け寄ってきた。
騒ぎを見に来た反物屋の主人と、小僧だ。
自分にも出来ることはないかと、三成に問う。

この方なら信頼できるか…

筆屋に入り、文を書かせてもらうと、これを直ぐに城の門番に、
秀吉に渡してほしいと伝えるよう頼む。
店の小僧は真剣な顔で頷くと、駆け出していった。

ん?あれは何でしょう?

火事の喧騒に紛れて、二人組の男が蕎麦屋の従業員と思われる男に
ボロボロの刀を向け脅している。

『おい、嘘じゃなかっただろう。俺たちのいう事を聞かなければこうなる。
死にたくなかったら、早く有り金よこせ』
そう言うと、助けてくれと言っている男を蹴飛ばしていた。

あの見た目は政宗様が言っていたのとぴしゃりと一致しますね…

「おい、お前たち何をしている」

普段の三成からは想像のできないドスの聞いた声が響く。

『なんだ?この弱そうなやつは。お前にはようがねぇんだ。
さっさと失せな!』

すると、三成はいつものエンジェルスマイル語りかける。

「これは失礼しました。ご気分を害されましたか?
さて、この火事もあなた方の仕業でしょうか?」

『なんだこいつ、ニヤニヤ気持ち悪りぃな。
ああそうだよ、店の女将とこいつが黙って金よこしてたら良かったものを
火ぃつけるって言っても出さなかったこいつらが悪い。
俺たちは上杉の手下から、城下を守ってやってるっていうのに』

「そうですか」
ニコッと笑い彼らに近づく。彼らは気づかなかった。
三成の目が笑ってない事を。

そこからは早かった。
素早く刀を構えたかと思うと、
慌てて襲ってきた二人をあっという間に峰打迎え討ち、
刀の柄でボコボコに懲らしめた。

お前たちが火を放たなければ、愛様は…!!

そう思うと手が止まらなかった。
うめき声しか上がらなくなった頃、漸く手をとめ、
近くの者に縄を持つように伝えたのだ。

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