第2章 2
「仲間だと思って助けを求めたはずが、出てきたのが私だったからさー、そこの審神者さんびっくりしちゃって」
本丸は麗かな日和である。
が、執務室で少女が話題にしたのは、その気候に似つかわしくない陰惨な話だった。
元ブラック本丸、服務規定違反にて強制解体。
刀剣男士は破壊および刀解、そして審神者は解雇処分。
男士を折られたことに泣き叫び、鉢合わせた少女に逆ギレを始めた審神者を三日月が気絶させ、
政府へ連行ついでに報告を終えたのは今朝の話だ。
少女もまた、審神者だった。
審神者号、丙午。
学生でありながら優秀な成績を収め、現時点で励起できる全ての男士の顕現に成功している。
資材も日々貯蓄に努め、任務の消化も抜かりない彼女の本丸は、何よりも戦闘を得意としていた。