• テキストサイズ

さにわのはなし【刀剣乱舞】

第1章 1


「な、んで」


喘ぎ続けて掠れた喉からは、それだけ絞り出すのが精一杯だった。

刀身に着いた血を振り落とし納刀すると、得体の知れない三日月宗近は微笑む。

「主の命でな。政府から再三の通告があったと思うが」

「つうこく」

「出陣せよ、あるいは任務を遂行せよ。一月にわたり動きがない場合、該当の本丸は強制解体の措置を取る、と」

ああ、そういえば。
刀剣男士を道具扱いする政府に、審神者会議で異を唱えた時、他の審神者にそんな事を言われた気もする。

「だからって、だからってこんな…!」

殺すなんて惨すぎる。
そう叫ぼうとした時、廊下を歩く足音が聞こえた。


騒ぎで誰かが起きてきたのだ。
最後の力を振り絞って立ち上がり、部屋の戸まで走ると手を掛ける。

そして、
/ 73ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp