第84章 ジャックダニエル
「はい、バレンタインの時はありがとね。僕からの気持ちだよ?」
「ありがとう!開けていい?」
勿論、と返すと、目の前にぺたんと座った主ちゃんが箱を開く。
「わぁ…売り物みたい!この上のは白バラ??え、これ何のチョコレートなの?」
「ボンボンだよ。主ちゃんお酒苦手だけど、チョコレートなら大丈夫でしょ?」
キラキラした目で嬉しそうにチョコレートを眺める。良かった、気に入ってくれたみたいだ。
「…燭台切、お前も花言葉を調べたのか?」
主ちゃんの後ろから箱を覗いた長谷部君がこちらを見る。
「ん?いや、主ちゃんにはこれかなって。白バラってどんな意味があるの?」
「……"私はあなたに相応しい"だ。」
それを聞いてバッと顔を上げた主ちゃんと目が合うと、頬を染めて目を逸らす。