第79章 愛のカタチ
映画も中盤まで進んだだろうか、今までの話が主人公の男の子の夢の中で起こっている出来事らしい。
うーん‥ちゃんの頭を撫でてる方が楽しいなぁ。
膝に抱えてからずっと大人しくスクリーンを観ていたちゃんがこちらを向く。
「…飽きちゃった?」
しーっ、と指を立てて小さく笑う。
そっかぁ、じゃあ終わるまで時間があるし…ちゃんの指を掴んで僕の唇に当てる。
( も う い ち ど )
伝わったかな?
声には出さず、唇をその形に動かしてから、そのままちゃんに口付ける。
啄むだけの擽ったいそれから、徐々に深くなっていく。この時の、蕩けそうな切なそうなちゃんの表情が好きなんだよね。