第79章 愛のカタチ
はらわたが千切れる思いだろうに、澄ましちゃって…でも、諦めるって選択肢は無いんだ。
ごめんね、長谷部君。
居間へ向かう彼を暫く見詰めてから、ちゃんが車の鍵を指差して、どの子で行きたい?と聞いてくる。
「前に長谷部君が乗ったって言ってた小さい車が、ちゃんのなんだよね?ならその子が良いな。」
「了解、安全運転で行きますね。」
そう言うと、鍵を手に取り扉を開ける。
きっとまた彼の事を考えてるんだろうな。彼に対しての罪悪感かな?でも僕は最近、君のそんな悩まし気な顔も良いなって思っちゃってさ…良くないね。
にこり、と笑顔を作ったちゃんの手をぎゅっと握る。
「今日はよろしくね、僕の彼女さん。」