第78章 所有印
「…さて、何をお話すれば良いですかな?」
正座をしてにっこり笑った一兄が口を開く。
「一兄、俺は何が何だか解ってないんだが…何で集まってんだ?大将が居たら話せない事なのか?」
「薬研君、昨日夜に主ちゃんと三人で寝てた時、何も無かったかい?」
昨日?しりとりして寝て‥それが何かあんのか?
「…うん、薬研君は知らないみたいだね。」
俺の表情から読み取ったんだろう、燭台切の旦那がそう言って話を切り替える。
「昼に主ちゃんを着替えさせた時に、痕がついてたんだよ。胸の下に。」
あと??
自分の胸の左下を指差すが、意味が解らない。
…いや、解ってる。
でも昨日は俺も一緒だったんだ。一兄がそんな‥
「キスマーク、ってやつさ、胸への印は所有印だな。」