第78章 所有印
鍛刀をした時、最初に刃に映るのは大将だ。…あれだ、鳥の刷り込みに似てるな。
その時、大将がどんな気持ちで刀を打つかにもよるんだろうが、うちの大将は極端に寂しがりだ。それが影響してこんな状態になってるんだろう、と思うわけさ。ま、主従関係や家族愛の上を行く気持ちになったのは、大将の人柄ってのもあるが。
一度、全部をやり直してきた分余計に…な。
「はい、おしまいだよ!長谷部君ありがとう。一期さんも薬研君もね。」
「ああ、構わない。それより始めるか。」
そう言った長谷部が、一兄をちらっと見てから、長谷部達が寝泊まりしている部屋の扉を開け、中へ入る様に促した。