第76章 情慾
「主ちゃんの泊まる部屋を決めたいと思います。」
主殿が風呂へ行った後、猫部屋に籠っていた大倶利伽羅殿を連れて来た燭台切殿が、今日一番の課題を口にする。
「勿論、うちだよね!長谷部君!」
「ああ、俺の傍が一番落ち着かれる筈だからな。」
「おいおい、大将は俺の傍に居ても寝るぞ!?」
「そうか、俺は寝かさないぜ!!」
「……鶴丸殿は無しですな。」
思った通り、話は進まない。
私と大倶利伽羅殿と主殿で一緒に寝るのが一番安全なのでは?と、思ったが、大倶利伽羅殿はこう見えて意外と主殿がお好きだ。
そう考えると余計に抜け出せなくなり、結局主殿が戻るまで論戦は続いた。