第75章 花浜匙
透明な薄い板になったそれの形を整えて、主の所へ持って行くと、机で任務報告書を纏めていた主が振り返る。
「あれ?鶴丸もう、出来たの?」
「ああ、予想よりは良い出来になったと思う。どうだ?」
桃、黄、薄紫の小さな花が沢山咲く一輪の花の様に作られたそれを手渡す。
「凄く綺麗……」
「‥その花な、花言葉が色によって違うんだ。面白いだろ?」
花言葉?と、顔をあげた主が続きを待つ。
「桃色は永久不変。黄色は愛の喜び。」
ひとつづつ指でなぞりながら、意味を伝える。俺の気持ちがそのまんま形になった様なもんだ。
ちとばかし、気恥ずかしい。