第75章 花浜匙
そりゃそうだ。誰だって自分の主にはそうあって欲しいと思うもんさ。
「この機械が温まったら、その透明な紙に挟んでここへ通せ。…主に渡すだろ?丁寧にやれよ。」
「はは、言われずとも。」
部屋を出て行く長谷部を見送って、丁寧に乾燥させた花を挟んで行く。
俺が花言葉なんて言ったら、主はまた意外だと笑うだろうか?料理を作るのも考えたが、それは光坊がするだろう。
なら予想外の驚きを、と押し花を考えたが、どうなんだろうか?
「…刀が押し花か、驚きだな。」
機械に通した紙が熱されて綺麗な透明になる。
おお、こりゃ凄いね。なかなかの出来上がりなんじゃないか?